尿を肥料に!! デンマークのビール




どうも,野良百姓です.

今回はロイター通信のニュースからです.デンマークのビール会社が,尿を肥料にしてオオムギを用いてビールを醸造したとのことでした.
音楽フェスティバルで尿を集めてビールにする,というアイディアでしたが,なかなか面白いですね.

肥料としての尿の使用というものは,日本でもかつて江戸時代にはおこなわれていたことのようです.では,尿を肥料として使うというのは化学的にどうなのか?という疑問がありますよね?

かつて使っていたとはいえ,尿を肥料として使うのであれば,その成分が気になるところです.尿中には尿素が含まれていることは皆様知っているかもしれません.しかし,それ以外の物質はどうなっているのか? ということは大きな疑問ではないでしょうか.また,日本でこうしたイベントと結びつけたビール醸造の実現性があるのかということについても気になるところではないでしょうか?


尿中のミネラル量

信頼できそうな文献として,滋賀県立大などの研究がありました.この文献は,日本の大学生を対象としているので,どこまで欧米人の数値として用いてよいかはわかりませんが使うことにしましょう.また,一日の尿量についてはこのサイトの数値から,計算を簡単にするため,一日で1Lとしましょう.

ビール用のムギにはどのぐらいの肥料がいるのか?

では次なる問題.ビール用大麦の生育には肥料はどれぐらい必要なのでしょうか?
ビール用大麦生産量で日本一の栃木県での施肥量をもとに考えていきたいと思います.県農作物施肥基準によれば,10aあたり窒素6.5 kg,リン酸12.2 kg, 加里15.5 kg,苦土石灰60 kgということになっていました.

これらを計算し,前の尿中の含量の表と合わせて次の表のようになります (ここでは微量必須元素については触れない).

ミネラル 1L当たりの含量
(平均値)
50 kL 中の含量 施肥量 (10a当り)
ナトリウム 2.76 g 138 kg NA
カリウム 1.49 g 74.5 kg  12.7 kg
カルシウム 104 mg 5.2 kg 14.6 kg
リン 689 mg 24.5 kg 5.3 kg
マグネシウム 38.6 mg 1.9 kg  5.4 kg
0.20 mg 10 g  NA
亜鉛 0.40 mg 20 g NA
48.1 µg 2.4 g NA
マンガン 41.0 µg 2.1 g  NA
モリブデン 158 µg 7.9 g  NA
セレン 56.5 µg 2.8 g  NA

意外と何とかなりそうでは? という感想を抱いた方,多いと思います.窒素肥料については今回検討しないことにして,カリウムに合わせて施肥をして,足りない分は化学肥料で補おう!! というマインドで行くとどうなるでしょうか?

なんと!! 0.6haも栽培可能なんです!!

サッカー場1枚分ですよ!!
で,収量なんですが… 試験場データを基にすると,約4.2tも収穫できるらしいです.


ビールづくりに必要な麦

必要な大麦の量です.何とサントリーさんがお客様センターで公開していました.助かります.

この数値をもとにすると,およそ…

大瓶で42,000本も作れてしまいます!!!

これは日本での数値ですが,デンマークでは6万本も生産していました.
これはやはり農場の地質によるものでしょうか.収穫量が生産量に跳ね返ってくるので,収量が高いのかもしれません.日本の大麦生産も収量を上げようと頑張っています.ぜひ国産大麦を使ったビールがより拡大していくことを願ってやみません.

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!




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ABOUTこの記事をかいた人

研究者になることはやめましたが,農とともに心はあります. 何とか「修士(農学)」の学位を獲得できた模様.このブログもそろそろ真面目に書かないと... と思っています.