クボタ,無人運転トラクターを発売!




野良百姓です.

ついに日本のメーカーでも自動運転トラクターが発売される兆しが出始めてきました.無人トラクターを駆使した農業を日本が行うには,農道での農機移動に伴う道路交通法での扱いなど,解決するべき点が多く,まだまだ難しいでしょうが,一歩踏み出したような感じです.

さて,クボタのプレスリリースを確認してみました.

プレスリリースのまとめ

有人トラクターとの協調運転(手前:無人, 奥:有人)

リリースの中身で大事なところをピックアップしました.

型式

SL60となっているので,60馬力の商品となっております.
日本では結構大きな部類に入るものですが,海外ではちっこいモデルです.とりあえず日本だけってことだろうなぁ.

特長まとめ

  1. 無人トラクターのリモコンによる操作
  2. 有人トラクターと無人トラクターの協調運転

会社のリリースにはいろいろと書いてありましたが,突き詰めればこんなところでしょう.

実際のところ何が嬉しいのかっていえば,今回発売される型式の有人型と無人型が協調運転できるので,畑作で耕起や播種を行う際に耕起をしながら施肥をして…といった同時並行での作業が可能になるということでしょう.
同時並行で作業をすることができないので,オペレータを臨時で雇って人件費を支払うのか,天候が変化するリスクを取ってでも数日間に分けて行うかという選択肢しかなかったわけですが,今度からは1度で済ませることができるようになります(お金はかかるけどネ).

欧米の自動運転トラクター

欧米,というよりも米国の話になってしまいますが,既に農機のトップ企業であり,北米でのクボタの商売敵ともいえるJohn Deereでは車車間通信(Vehicle-to-vehicle; V2V)というものを用いた自動運転トラクターを販売しています.

V2Vとは,「車両同士の無線通信により周囲の車両の情報(位置,速度,車両制御情報など)を入手し,必要に応じて運転者に安全運転支援を行うシステム」であると総務省によって定義されています.農業機械では,安全運転のみならず安全な作業の支援も含まれるかもしれません.

このV2Vを用いて既に収穫作業の省力化が行われています.

有人コンバインと無人トラクターによる収穫作業

上の写真ではトラクターを無人化してコンバインと一緒に走らせています.
このような技術が出てくる前は,トラクターのある場所,つまり道路の近くまでコンバインを走らせたり,巨大な収穫物貯蔵タンクを持っているコンバインを買ったり… といろいろ面倒だったのですが,コスト削減の効果があるという話です.


今後の実装期待

今後クボタが実装してくれるといいなぁ,と私なりに思っていることが3つほどあります.

  1. 稲麦用コンバイン(または汎用コンバイン)との連携
  2. ドローン監視下でのトラクターの運用
  3. GPSの対応を増やす

まずは1点目です.
V2Vを使ってコンバインと連携してほしいです.トラクター2台をコントロールできるのであれば,2年程度で実現可能でしょう.
60馬力程度のモデルを使う農家がどの地域で何を作っている方々なのかわからないので何とも言えないですが,北海道が多いのであれば稲麦用でもいいかもしれませんね.その他の地域でもかなり使われているのであれば,経営の多角化を進めていると考えられるので,汎用コンバインの方がいいでしょうけど.

2点目ですが,ドローン使って作業の監視してればいいじゃないですか.なんでその場にいなきゃいけないんですかね.
法律的な問題なら当面は仕方ないですけど,ドローンで建設現場監視する,とかより農場の方がドローンと機械という組合せには安全なような気がします.

最後に3点目なのですが,これが結構大事な気がするんですよね… というのも,今回の無人トラクターはGPSを用いているのですが,日本の準天頂衛星みちびきに対応しているだけなのではないかと勘繰ってしまうわけです.
これが,米国や欧州のものに対応させられれば,国外でもそのまま売れるわけですよね.John DeereやCNH Internationalなどの欧米大手の後塵を拝していたクボタが海外,特に欧米でのシェアを高めていく際には必要になってくるのではないかと思います.まぁ,その辺の人の戯言かもしれませんが…


オマケ

既存の商品と比べてオプションを減らした商品を現行品の2割引きで販売するという話が日経電子版に載っていました.
正直,現行品からどんなオプションを減らしていくのかということが興味深いですね.大型のトラクターであれば,運転席はガラスの箱で覆われているので,冷房はないとツライでしょうし… どうするのかなぁ.
それとも,ソ連戦車のモンキーモデルのように,耐久性を落としてパーツの交換頻度を高めるんでしょうかね? メーカーの評判とかを考えるとそれはできないでしょうけど…
まぁ,後方確認を頻繁にさせるのであれば液晶パネルとかは撤去できるのかもしれませんが…

ある意味,この商品が出てきたときに今までとどこが違うのかを確認していきたいですね.
というのも,どの部分がコスト要因なのかがよくわかるはずなので.

では,また.




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ABOUTこの記事をかいた人

研究者になることはやめましたが,農とともに心はあります. 何とか「修士(農学)」の学位を獲得できた模様.このブログもそろそろ真面目に書かないと... と思っています.