ヤママユの知識 基礎編




野良百姓です.

本業が突如忙しくなり,しばらく更新していませんでした.時間のある時にたくさんネタを仕込んでおこうと思います.

今回は文楽を観に行った際にお隣の小母さまから,「テンサンってご存知?」といわれてしまったことで調べたことのまとめになります.まぁあれです,私の備忘録を兼ねて… という感じでしょうか.
テンサンと聞いて麻雀のことかと思った私はやはり残念なんでしょうね… そんなことは置いておいて.今回はテンサンことヤママユの基本的な知識についてまとめてみました.

ヤママユとは

ヤママユガ 成虫

そもそもヤママユとは何ぞやということです.
蚕糸絹用語集によれば,「天蚕.日本および韓国に分布し,一化性,卵で越冬.緑色の繭から天蚕糸が作られる.これで織った織物が山繭織.」ということになっておりました.

学名がいい感じに雰囲気をとらえていることも多いので,学名を調べてみることにします.
Antherae yamamai だそうです.Antheraeですが,どうやら2つの意味があるようです.Antheraeはantheraの複数主格と考えてよいでしょう.

antheraに意味が2つあります.1)花から作られる薬,2)葯.
まぁ見た目的に2)葯と考えるのが妥当そうです.腹部がもふもふしているところからの連想でしょうね.
yamamaiはヤママユyamamayuでしょう.
結局何もわからない.

サイエンス社の『天蚕』という本を図書館で見つけたので,そちらを調べることにしました.

一化性というのは,年に1度しか出現しないということのようです.要するに1年かけて卵→幼虫→さなぎ→成虫のサイクルをするという意味のようでした.
どうやら,上のサイクルを1年の間にN回繰り返すものをN化性というようです.(Nは自然数)

要は,日本と韓国に住んでいて,年1回しか成虫になりませんよ.というのがヤママユのようです.

ヤママユの生活

生活といっても,1年のライフサイクル(生活環)についてです.

大体こういう感じだそうです.(訂正: 5齢時は体重約20gです)

ヤママユは年に1回しか発生しないので,こういう生活環に野外ではなっていますが,カイコのように飼育しようとするとどうしたらいいんでしょうかね.
気温で春を感じ取るなら,冷蔵庫とかに入れておいて孵化させなければいいんでしょうかね.日長で春を感じ取るならば… 暗室とかかな?

用途

ヤママユの繭 (画像はグースのブログ様より拝借)

用途は絹織物です.
ヤママユの糸はカイコの糸と比べて色が染まりにくいという特性があります.同じ紅色の染色液につけても,カイコでは紅色になる一方で,ヤママユでは薄紅色となる… といった具合です.
そうすると,後から白い反物を染める時には便利ですよね.

後は,もともとカイコと違ってヤママユの糸は薄緑色をしています.色がついている糸というのも珍しいので,そのまま織物として使うということもあるという話を聞いたことがあります.高くて手が届きそうにない…

カイコとの違い

いろいろと話を書いてきましたが,動物として異なる以外にカイコとは何が違うのでしょうか?

項目 ヤママユ カイコ
発生回数 年1回 年1回, 年2回, それ以上
エサ クヌギ,コナラ,カシワなど クワのみ
孵化体重 5mg 500mg
5齢体重 20g 5g
幼虫体色 褐色~茶褐色~緑と変化 白色
幼虫の性質 孤独を好む.移動性が大きい. 群れる.ほとんど移動しない.
繭重 オス6g,メス8g オス1.8g,メス2.2g
繭色 緑色ないしは黄緑色 概ね白色だが黄色などもある
繭1粒の糸長 600-700m 1200-1500m
糸色 黄緑色 白色

大体こういったところでしょうか.

今回のまとめ

  • ヤママユは年に1回しか天然では取れない
  • カイコと比べて繭の大きさの割に糸が取れない
  • 糸の色は黄緑色!

これ以外にもいろいろと紹介したいことはありますが,基本編ということで,今回はこのぐらいにしておきましょう.では.




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研究者になることはやめましたが,農とともに心はあります. 何とか「修士(農学)」の学位を獲得できた模様.このブログもそろそろ真面目に書かないと... と思っています.