大学に入る前に知っておいた方がいいこと




どうも,野良百姓です.

どうやらこのサイトを見てくださる方には学校の先生もいらっしゃるようです.
というわけで,農学部→大学院農学系という私の経歴で感じた大学に入る前に知っておいた方がいいこと,というものを書いておきたいと思います.

野良百姓は大学,大学院時代を通じてひたすら勉強,国内大学院へのインターン,研究,というような生活を送っているので,サークルやらアルバイトやらの方面には非常に疎いです.なので,今回はこうした雑事については触れず,勉強の方面についてのみ書いておきます.
私が言うところの雑事は学校見学の時にでも聞けばいいですし,何なら大学に入ってからでも遅くはありません.

大学の勉強

大学の勉強というと何やら難しいような印象を受けるかと思います.
かくいう私も大学へ入った時には,「何ぞ難しい勉強でも始まるのか」と身構えたわけです.

講義

実際のところ,大学で行う勉強というのは座学ですから,講義にきちんと出席して勉強をすれば大体単位は来ます.
大学内の雰囲気としては,出席しないで単位だけ回収… という学生がいちばん要領よく勉強している,とされます.
しかしながら,講義はいくべきだと思います.

講義の中でしか話されないことがあるから… という理由ではありません.
大学の講義は,高校までと違って教育指導要領のようなものがありませんから,必然教員の趣味というか研究領域の話をある程度中心として講義が成立していくわけです.
そうすると,その教員の研究の中身や,その関連分野の動向もまとめて理解できますし,講義は台本があってないようなものなので,自分が疑問に思えばその場で質問することもできます.
まぁ,この辺は大学の雰囲気によりますが.
少なくとも,講義中に感じた疑問は教員に講義後に質問することもできますし,自分の疑問で教員とディスカッションをすることもあります.

このあたりは講義じゃないとなぁ… という部分でしょう.
ノートには突然発生したディスカッションをまとめておくわけにもいきませんから,その場で自分ならどう考えるのか,ということを常に頭の片隅においておくとよいのではないでしょうか.
高校にいる時から,ある程度訓練をしておくこと自体は可能なので,ぜひやっておくといいと思います.

単位

大学によりますけど,講義はたくさん取った方がいいと思います.
これは,大学ごとに単位の上限が異なるからです.できるだけたくさん勉強しましょう.

特に,講義の偏りはない方がいいと思います.
まず語学ですが,英語以外の言語ができるに越したことはありません.なぜ第二外国語などが必要なのかは,京都大学の先生方がこちらのページで丁寧に述べていらっしゃるので私からくどくど申し上げることはありません.

教養科目は,楽だから,とかそういう理由で科目を選ぶのは良くないです.勉強の偏りはあまりよろしくない.
単位がとりやすいから,と経済を蔑ろにしたまま作物学とかを勉強しても,やれ穀物価格の上昇だとか人口増加が,とか聞くハメになりますし,歴史を抜きにして農業経済の勉強をするわけにもいかないわけです (このブログの農業経済学講義を見ていただければわかると思いますが).

イマドキは教養主義は死んだんだ,という言説が巷にあふれていますし,大学の勉強なんて何の役にも立たないなどという方もいます.
でもね,役に立つはずなんですよ.すぐに役立たないかもしれないし,どこで役立つかなんて私にはわからないけど.

前に私がフランス語の語学学校に通っていた時に,講師のフランス人から「なぜ君の文章にセンスがないんだ」と聞かれたときに「僕はバルバロイなので仕方がありませんね」と返したところ,向こうが「教養がないと言って申し訳なかった」と言っていましたし.

とにかく,専門科目だけしか勉強しない,というのはあり得ませんし,教養科目は楽な単位しかとらない,というのはもってのほかです.
せっかく大学で勉強できるのですから,いろいろ勉強しましょう.教養主義も捨てたもんじゃないですよ!!

単位互換制度

外国の大学への短期留学などの制度は良く知りませんが,国内の大学同士で行っている単位互換制度はあまり盛んではないようです.
私のいた大学も単位互換制度ありましたけど,私がいた4年間で私の大学から外の大学に行った人は聞いた限りでは私だけだったようです.サミシイものですね.

ちなみに,東京だと四大連合(東工大・一橋大・東京外語大・東京医科歯科大)は結構積極的にプログラムを使って学生があっち行ったりこっち行ったりしているみたいですけど,それ以外ではあまり聞くことはありません.

大体物理的にキャンパスが遠いくせして,単位互換なり連携なりをするから無理なんだよ…というボヤキはこの辺にしておきますけど.
まぁ,こうした単位互換が物理的に可能な距離に,自分の興味のある講義がある大学があるなら行ったらいいと思いますよ.
別に,単位互換に限らずに潜り込むこと自体はいいことだと思ってはいますが,単位互換がないと,その大学の授業を受けているときに結構苦労します.
例えば教科書や参考書です.
大体大学の教科書って高いんですよ.大体2,000円から5,000円くらい.医学系だともっと高いかな.
それを一通り自分でそろえようとするとかなり大変なのですが,互換制度があればその大学の学生証がもらえるので図書館の利用が可能になったりします.
試験前のような本が混む時期は借りにくいでしょうけど,それ以外なら全く問題なく本が借りられるので,勉強もはかどります.

ぜひ,国内の他大学へ行くといいと思います.

インターン

企業のインターンはどうでもいいです.そんなことは就活サイトに任せておけばいいんです.

私が言いたいのは,自分の大学以外にも行ったら楽しいよ,っていう話.
これはあまり広告がされていないので,知っている人は知っている,という世界になっているのですが…

夏に学部学生が参加できる研究機関のプログラムだと,有名どころとしては分子科学研究所とか基礎生物学研究所(どちらも総合研究大学院大学),理化学研究所のCDBがあります.他にも,奈良先端科学技術大学院大学(通称NAIST)の生物系でもインターンとして1ヶ月程度研究室に滞在することができます.
春休みのプログラムでは,国立遺伝学研究所(総合研究大学院大学)ですかね.

大抵はインターンに参加するメリットは人脈であるといわれていますが,こうしたインターンの場合は少し異なります.
確かに,他の大学の同じような分野に関わりそうな人と話ができて,連絡先の交換ができるというのはないわけではありません.
しかし,最も大事なのは,研究とは何ぞや,ということの一端が探れる場だ,ということでしょう.
学部1年生から3年生は,まだ研究室に配属されていませんから,研究とはどういうことなのか,自分が修士課程や博士課程に行くっていうのはどういうことなのか,ということを目の前で見ることになります.研究は楽しい,実験も楽しい,でも,何か違う.というようなものも感じられたり感じられなかったり.

他にもメリットはあります.実験手技を教えてもらえる,ということです.
大学の講義で行う実験は,ある程度技術が確立されているものだったり,今だったらその方法は使わないよね,というような原理を理解するためのものであることが多いです.
そのため,本格的な道具の使い方を習うのは研究室に入ってから… というのが普通です.
しかし,こうしたところでインターンをしていれば,研究室に入った後の研究の進め方が円滑になります.
細かい実験の仕方まで研究室では教えてもらえないところに放り込まれたとしても,既に知っていたりするわけですから,実験の失敗が減ります.

というわけで,他の同級生よりも一歩早く研究とはどういうことなのか,ということが理解できる大学院のインターンはお勧めです.
別に大学院を受験するときにそこに行かなければいけない,というわけでもありませんし,気楽にいけばいいと思うんですけどね.

研究

これは結構大事です.
研究はとても大事.

何が大事なのかっていうと,その研究室の出している最近の業績です.
どうして大事なのか,というと,研究費がどこから出ているのか,また,研究費をもらいやすい環境にあるのか,ということがよくわかるからです.

研究を行うに当たってお金が必要なことはお分かりいただけると思いますが,この研究予算,多くの場合は3種類しかありません(特別プロジェクトもあるので何とも言えない).

  1. 日本学術振興会(通称:学振): 科学研究費(科研費)
  2. 科学技術振興機構(JST): さきがけ
  3. JST: CREST

まぁ,これらの細かい話をするととんでもなくスペースを食ってしまうので簡単に言ってしまいますが,科研費が国の研究費では比較的取りやすいとされる予算区分で,金額もいろいろあり,若手は若手で「それなりに」優遇があります.大体の研究室では1つ以上もらっている… と思われますがどうでしょうか.
次に,さきがけとCRESTです.こいつらは,大型プロジェクトなので,どこかの大学か研究機関が代表になって,近い研究をしている人たちをグループにまとめて研究を進めていきます.これの予算をもらっている研究室は優秀な教員がいます.

研究をゴリゴリやりたい,と思っている方は,ぜひ科研費やCRESTをどこの大学がもらっているのか,一度確認してみるといいと思います.
研究費が少ないと,こういうことがやりたいけど予算的に厳しい,とか,本来は使い捨ての道具を洗って使いなおす…といったことがあったりするらしいです (さすがに使い捨てを洗ってまで使うというのはないと思いたいですけど).

大学に入る前には,いろいろと知っておいた方がいいことがありますが,大体このあたりを押さえておけばいいと思います.
ぜひ参考にしてください.




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ABOUTこの記事をかいた人

研究者になることはやめましたが,農とともに心はあります. 何とか「修士(農学)」の学位を獲得できた模様.このブログもそろそろ真面目に書かないと... と思っています.